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Jangpanzer IV L/70


木漏れ日 (komorebi) / *SuiKa*


本項より塗装作業に入る予定だが、その前に今回施す迷彩パターンについておさらいしてみたいと思う。
洋書等ではAmbush(待ち伏せ)やLicht und Schatten(光と影)と解説されている迷彩パターンである。
これは工場で迷彩塗装される図柄として1944年8月19日付けで発令された。

デザインとしてはパターンの中に、木漏れ日からイメージされたと思われる斑点が散りばめられている。
つまり木々の間で迎撃する戦術が考慮された迷彩となっており、攻めから守りの戦況へと転ずる事となったドイツ軍の
教理の変化が伺える。
塗装色は1943年に制定された3色(ドゥンケルゲルプ、オリーブグリュン、ロートブラウン)と円や楔形の斑点が多用され、
その境界線はくっきりと表現されているのが特徴だ。
車輌に施す塗装としては異常なまでに凝ったパターンの迷彩であるが、このような手間と技術を必要とされるであろう
迷彩に関しては、発令の通り工場で塗装されたという点で共通している。光と影迷彩を模した手製の現地迷彩も存在
するが、その塗装クォリティと比較しても明確である。

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光と影迷彩と言えばアルデンヌ戦のケーニッヒスティガーや他多数の車輌に見られる(A)で、典型的な3色迷彩に
小さな丸い斑点を散りばめた図柄か、或いはヘッツァーに施されている(B)のような、さらに複雑に記号化された図柄を
思い浮かべる方も多いと思う。
今回モデルにしたラングの場合、上記の例で言えば(B)に近いように見えるがやや異なっており、1944年8月頃生産の
パンターにも施されていた図柄(C)とほぼ同タイプである。
その他にも近似する図柄はいくつか存在している。これらはいわゆるディスク迷彩や葡萄迷彩等と呼称されているもので、
その丸い形状にちなみ、バリエーションの多い光と影迷彩の中で明確に分類する目的からそのように呼称される事と
なったと思われるが、いずれにしてもすべて光と影迷彩におけるバリエーションのひとつである。

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このような図柄(D)もあり、こちらは戦車よりも自走砲に多く見られるようである。ドゥンケルゲルプベースの3色迷彩だが
オリーブグリュンとロートブラウンがほぼ正円と見られる斑点で構成されており、正しく葡萄の房と呼ぶにふさわしい
デザインのようだ。
シュトゥルムティーガーに見られる(E)は(B)ほど複雑ではないが若干その面影を残しつつあり、さらに簡略化し
デザインを滑らかにしていくと(A)に近づいていくと思われる。系譜的には丁度(A)と(B)の中間に位置する図柄と
言えるのではないだろうか。
このような関連性から、光と影迷彩は(B)を元に簡略化やアレンジがなされてデザインが派生したようにも推測できる。
ヘッツァーは初期型防盾を備えた8月以前の生産型で、既にこの図柄(B)が施された車輌も存在する。
修理等の際に工場で再塗装された可能性もあるが、そうでないとすると発令より早い段階で光と影迷彩が
採用された車輌であり、この図柄の基礎となった可能性が高い。

それにしてもなぜこれだけ多種の図柄が考案されたのか?光と影迷彩に関してどの程度具体的なガイドラインが
定められたのかわからないが、前述の通り、施された車輌やそのデザインからある程度カテゴライズ出来る例を見ても、
原案を元に特定の工場や戦地で図案化されたと考えるのが妥当なところだろう。
あまり長くは続かなかったようだが、実験的にバリエーション展開する事により、生産性も含め最も合理的なデザインを
選定しようとしていたのかもしれない。しかしながら塗装に掛かる手間や塗料そのものが不足する事態となり、通常の
2~3色迷彩で引き渡された車輌も多数存在する。
特に現地塗装ともなれば、限られた作業環境からそれなりの台数に施していかねばならず、複雑な(B)などを
再現するのは困難な事だろう。記録写真を総合すると、最終的には度々目にする事ができる(A)のように、シンプルな
図案に落ち着くのが自然ではないだろうか。

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現地で施したと思われる光と影迷彩。スプレーガンのみで塗装されているようだ。

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模型的に気になる要素としてはやはりその塗装方法だろう。独特の図柄ゆえステンシルのような物が存在していた
と思われるが、塗装工程の詳細や写真は残されていない。しかしながらその図柄を解析すればおおよその工程は
想像する事ができる。
円形のマスキングを見た目どおり大量に貼っていく方法と、楔形に抜いたステンシルを使用する方法で、既に
模型の作例においても大抵はどちらかの手法が用いられているようだ。

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さて、肝心のラングやパンターに施された光と影迷彩だが、実車は円の大きさが統一されておらず大小様々で、正円と
言うよりも楕円やむしろ円形とも言いがたい歪な形状のものまで確認できる。このようなパターンが生まれる事を
推測すれば、これは楔形のステンシルを使用している可能性が高いのではないだろうか。塗装してみるとわかる
のだが、楔形の組み合わせによっては、このような形で中途半端に歪な形状が生まれてしまう事があるのだ。
円形のマスキングを用いる手法ならば正円で統一する方が容易なはずで、わざわざこのような妙な形状を貼るとは
考えにくい。実際作例においても、マスキングを貼る手法は正円のポンチで抜かれたものがほとんどのようだ。
あえて模型制作に使用するならば(D)のような図柄に適した手法と言える。
加えて最も決定的となったのは、よくよく記録写真を見てみると同じ楔形の繰り返しが発見できる。
ステンシルの角度を変えながら塗料を噴き付けていくと、ほとんど見分けが付かなくなってしまうようだが、下画像の赤枠に
示した通り、同じ角度で繰り返し使用されたと思われるパターンが確認できた。
さらにこの車輌以外にも同様の塗装例がいくつか見受けられる。したがって今回の塗装では、より実車のパターンを正確に再現するため楔形のステンシルで図柄を表現していくことにした。

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ヘルマンゲーリング戦車連隊の01号車。

オーバースプレーで隠れてしまっている部分もあるが、主に赤点を基準に見て頂けるとわかりやすいと思う。
一見ランダムに見える光と影迷彩でも、同様のパターンが連続して使用されている場合もある。
ここで使用されたステンシルは、赤枠の通り正方形のパネルであったと推測される。

ラングは写真が不鮮明で識別が困難な上、散りばめられた楔形はパンターと比較するとランダム性が高い。
これはおそらくステンシルの角度を変えながら塗料を噴きつけていると思われ、パンターのように確実なパターンの
繰り返しは発見できなかったが、図柄の種類からして同様の手法で光と影迷彩が表現されているはずだ。

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余談だが、楔形のステンシル以外を用いた手法も挙げておきたい。例えば(D)では正円に近い円が所々独立して
存在しており、これは円形のステンシル又はマスキングを使用した物だと思われる。
Panzerwrecks4のp26と裏表紙に掲載されている3号戦車回収車の写真では、楔形だけでなく上記と同様に円形が
使用されている。パターンを解析すると円を花びらのような並びでマスクし、その上から塗料を吹き付けたと思わしき
模様が浮かび上がっており、通常施される光と影迷彩とは違う幻想的な図柄が特徴である。
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by modelersbench | 2011-01-15 16:11 | Jagdpanzer IV L/70

Jangpanzer IV L/70

4号駆逐戦車のエンジンデッキには、C字型シャックルが2箇所のブラケットで固定されているのだが、モデルアート
増刊のAFV PROFILE1によれば、これはS字型シャックルの可能性があるのではないか?と記載されている。
実はキットを作製の際この点については気に掛かっていた。というのも本誌に記載されている通りC字型シャックルを
取り付けた場合、横のハッチにやや乗る形で干渉してしまい、このままではハッチが開閉できない位置関係と
なってしまう。若干ずらして接着する事で回避できなくも無いのだが、1台目のラングではブラケットをエッチングに
置き換え、シャックル自体は未搭載の状態にしておき、2台目も同様に回避するかどうかは保留にしておいたのだった。

C字型シャックルではない根拠については、現存しているラングのブラケット幅を採寸すると、そもそもC字型
シャックルが入らない可能性があるとされており、ブラケット自体も斜めに配置されている事から、C字型以前に
使用されていたS字型シャックルが寸法や配置においても妥当ではないかという仮説が立てられている。
S字型の場合、牽引重量の定格については不足があるとも言及されているが、正に目からうろこと言った内容の
記事であり、詳しい検証内容は本誌を一読する事をおすすめしたい。

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C字型シャックルを搭載する場合、縦に配置すればハッチに干渉する事も無いはずだが、なぜか斜めにブラケットが
取り付けられており疑問の残る位置関係である。
S字型シャックルであれば、ブラケットが斜めに配置されている事や幅の寸法についても説明がつく。
ただしラングを牽引する場合は定格重量が0.8tオーバーしてしまうようだ。

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4号駆逐戦車はエンジンデッキの鮮明な写真が極めて少ない。デッキ側面の防護板によってほとんど隠れてしまうのだ。
手持ちの資料の中からそれらしき写真がないか探してみた。
PanzerWrecks7のp69にソビエトによって鹵獲された4号駆逐戦車の写真が掲載されている。ツィメリットコーティングが
施された車輌のため、L/48或いは初期型L/70ラングではないかと思われる。
形状からしてS字型シャックルのように見えるがどうだろうか?
牽引ワイヤーの末端にも見えるが、ラングには牽引ワイヤーの装備は元々無い。他から流用した可能性はありえるが
写真だけでは判断が付かず微妙なところだ。

以上の通り今だ解明されていないこの疑問点だが、C字型シャックルでは説明の付かない点も補えるおもしろい説なので、
本作の2台目はS字型シャックルを搭載させてみる事にした。
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by modelersbench | 2011-01-10 15:20 | Jagdpanzer IV L/70

ご挨拶

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皆様、新年明けましておめでとうございます。
昨年も多くの方にご来場下さり、数々のありがたいコメントを頂き感謝しております。
また自身としてもコンテストで金賞を授かり飛躍の年でもありました。
2011年も引続き新たな作品制作に挑戦して行きたいと思います。
本年もよろしくお願い致します。
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by modelersbench | 2011-01-04 23:05 | その他