Modelers Bench

馬の制作


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本稿より新作に使用するための馬を4体制作する。
既製品のポーズ改修ではなく、すべてフルスクラッチで制作していく。
作品自体のテーマは以前より構想を温めていたものだが、熟考を重ねようやくそのイメージの整理が
付きつつあるので、このあたりで一つ作品として完成させてみたい。

本作に戦車は登場しない。その他の車輌はいくらか登場するがそこに趣はおいていない。
むしろ家畜や人間、そして、それらにもたらされた業や災難について深く掘り下げて表現できればと考えている。
全体の構図は、ラフスケッチを重ねながら既に決定稿まで上がった状態。これは完成してからの
お楽しみという事で公開は控えておくことにして、ひとまず本作に必要なフィギュア制作等の
工程を踏まえて行く事で、徐々に全貌を明らかにできるのではないかと思う。

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本作において馬は各々異なる意味とポーズで存在し、テーマの暗喩を示す重要なシンボルとなっている。
実制作へ入る前にラフスケッチで十分ポーズを検討しておき、それを元に骨組みの作製に入る。
当然、正確な骨格のラインも重要だが、あくまで肉付けのための芯材でもあるので、できるだけ模型としての
強度保持を念頭に置いておく。特に馬はその太い胴体のわりに足が非常に細く折れやすいため、体幹から
蹄の先までしっかり芯を通しておく。また、本作の馬は激しい動的ポーズが中心となることから重心位置が
シビアにならざるを得ない。したがって、どのようなポーズでも本来の骨格における安定のポイントを
スケッチによって十分把握しておく必要がある。



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園芸用のワイヤーを本芯として用いる。これは金属線の外側を紙でコーティングしてある商品で
1本あたり0.5mm 程度、これを5本束で捻って1本の芯とした。場合によっては束の数を増減させて応用する。
表面が紙である事と、捻ってできた凹凸により素材への食い付きは十分。さらにこの線に水溶きボンドへ
浸したティッシュを巻きつけて補強していくことで芯材として完成する。
一番太い胴体に関しては、肋骨とその内部の内臓をひとまとめにして芯材として内包してしまう。
それなりに大型の場合は、胴体内部は中空にして軽量に仕上げるという手もある。

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芯を太らせていく際には、骨というよりは筋肉を貼り付けていくようなイメージで補強する。
筋肉の構成を参考にしながら造形していくわけだが、工程としてはまだ芯材の段階なので大まかに形状を
なぞるようなラインを描くつもりで、それほど忠実にこだわる必要は無い。
後々、スムーズに肉付けしていく上でのガイド程度に考えておけばよいだろう。
無論、チャレンジングな向きには、解剖模型さながらに骨格や筋肉からすべて忠実に再現するのもおもしろい。
習作としては、むしろ1度経験しておく事で今後の制作の糧となってくれるに違いない。

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硬化後、石塑粘土で肉付けを施していく。今回は3体をラドール。もう1体は作品の構成上、軽量に
仕上げる必要があるため、軽量版のラドールプルミエを使用する。
ラドールは造形において、もはや定番の粘土なので特別に解説の必要もないと思うが、若干毛羽立つ特性は
馬の質感表現には最適ではないかとの目論見で使用する事にした。ただし塗装後は質感に変化が現れる
可能性もあり、やや実験的な目的も含む。
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# by modelersbench | 2011-09-18 11:00 | その他